2016年09月19日

若手社員の成長を加速するための“仕組み”を整備する!

 前回、人が育つ要素として、@人(指導者の腕)、Aしくみ(ツール/道具)、B時間(フォロー/伴走)の3項目が大切であること、そして企業規模別にどのような課題があるのかをご紹介しました。今回は、3項目のなかのAしくみ(ツール/道具)について、考えてみたいと思います。

■若手社員育成の鍵は?
 若手社員の育成は、どの会社にとっても最重要課題です。変化するビジネス環境に逞しく立ち向かう社員をどのように育てていけば良いのか、真剣に悩んでいる企業も多いことでしょう。そのなかで「しくみ」をどのような考え方のもとに整備すべきか。私は、若手社員の育成において核となるキーワードは、“成長“であると考えています。

 社員の成長を促進することが、よりよい成果を上げる社員を育てることにつながるわけですから「しくみ」もそこに直結していることが大切です。成長を軸とした「しくみ」を考える際に必要となるのが、次の4つのキーワードです。

 @成長の道筋
 A成長の実感
 B成長の機会
 C成長の支援

@の「成長の道筋」とは、「我社にはこのような成長ステップがあります」を示すことです。多くの企業で導入されている職能等級制度の等級は、社内の成長ステップを示していますが、等級が何段階あるかではなく、ステップ毎に何を期待されているのかまで整理されていることが大切です。現代では、「複線型人事制度」が主流となり、画一的でなく多様な成長ステップを用意することで成長の道筋を見せる企業が多くなってきています。

Aの「成長の実感」とは、目標管理や評価制度の仕組みを利用した上司と部下の面談制度の定例化です。成長を実感するには、期待を示しその結果を客観的に測定、その結果を本人にフィードバックしなければなりません。単に査定のための評価制度から成長につなげる「しくみ」へと発展させることが大切です。

Bの「成長の機会」とは、教育体系と教育計画に基づく計画的、継続的な教育訓練の実施です。OJT・OFFJTに関わらず、役割に相応しい知識スキルを教育することで成長が加速します。

最後のCの「成長の支援」は、日常の相談相手をキチンと決めておくというものです。多くの企業で発生する上司と部下との年齢ギャップを埋めるために年齢の近い先輩社員が、公私にわたり相談に乗り支えるメンター制度が有名です。今の時代は、安心して相談する相手を用意することが、若手の定着率を高める重要な施策なのです。

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■「手段」が「目的化」することの弊害!
図表にあるような「しくみ」をすべて真剣に整えようとすると、結構大変です。比較的大きな企業で、専門に担当する部署がなければ、なかなか運用できません。しかし、大切なことは、これらの道具はあくまで「手段」であるということです。極端にいえば、たとえ形としての「しくみ」がなくても、「成長の道筋・実感・機会・支援」を社員が感じることができれば問題ありません。

しかし多くの企業に見られるのは、形ある「しくみ」をつくることが目的化してしまい、しっかり伝え感じさせる肝心の努力が疎かになってしまうことです。次回は、これらを上手に実行している事例や、形ある「しくみ」を整備する上での留意点をご紹介します。

以上
posted by アタックス at 13:18| 今いる社員を輝かせる「社員育成戦略」 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする