2012年05月09日

面談スキルを磨いて、部下の成長をサポートする!

前回までの内容から、部下のメンタルヘルス対策において管理者が果たすべき役割の大きさや、コミュニケーションスキルの重要性について再認識いただけたと思います。本テーマによる最終回は、部下のメンタルヘルス対策だけでなく、「成長支援」に役立つ、「面談制度」の活用について考えたいと思います。

■今こそ、「目標管理」をベースにした面談の制度化を! 
目標管理(MBO)は、今から50年以上前に、P.F.ドラッカーが提唱したマネジメント手法で、一時期、人事考課制度に代わる仕組みとして多くの企業で導入されました。

しかし、「自分で目標を決めさせると、達成しやすい目標になりがちで公正な評価にならない」、「バックオフィスなど、定型業務に従事している社員は、毎回目標設定に困る」、などの声が高まり、一時期、この制度に対する懐疑的な論調が、広がりました。

しかしこれらの問題は、運用の中で解決できる問題であり、私は、現代ほど「目標管理制度」を必要とする時代はないと感じています。とりわけ、この制度を運用するために必要となる「面談制度」に大きな意味があると考えます。

従って、「面談なんてやっている時間がない」などと言って、面談をやったことにして済ませている管理者を放置したり、年中行事化して制度が形骸化している企業は、改めて必要性を理解し、管理者に教育し直すことが必要です。

■管理者にとって、面談の機会は絶好の部下を知るチャンス!
「目標管理制度」の運用は、通常「目標設定面談」と「フィードバック面談」を、半期に1度、同時に行います。部下と指しで話をする機会が、予め制度になっているわけですから、上司は大手を振って部下を呼びつけることができます。これは、管理者にとって大変ありがたいことです。

メンタルヘルス上に問題があろうとなかろうと、定期的に上司と部下が面談することで、仕事のことはもとより、場合によっては、健康のこと、家族のことを共有することができます。面談には、単に仕事の成果を高める効果だけでなく、メンタルヘルス不全を未然に防ぐ効果もあることを、管理者は再認識することが必要です。

■面談の品質を上げるためのポイント!
目標管理制度」の運用は、PDCAのサイクルと同じです。今後、改めてしっかり面談をしていこうと考えている方は、質の高い「目標管理制度」の運用を実現するために、次のポイントに留意してください。

@目標設定:P
A実行・推進:D
B評価・次の目標設定:CA

@で大切なことは、被面談者である部下が、面談を通じて「有意義感」を感じることができたかどうかです。「上司が自分に期待してくれいている」「サポートしてもらえそうだ」「しっかり話しを聞いてもらえた」と部下が思ってくれたら合格です。

Aで大切なことは、部下が「自己重要感」を感じているかどうかです。これには、忙しくても適時適切にフォローすることが大切です。何も難しいことではありません。「どう、順調?」「問題があったらいつでの相談に乗るよ!」という声がけが効果的です。部下は、これらを通じて、「上司はいつも見てくれている」「会社から大事にされている」と感じることができるのです。

Bで大切なことは、部下が「達成感」を感じたかどうかです。目標達成・未達成いずれにしても、しっかり上司が評価しフィードバックする。未達成目標については、一緒に原因と対策を考え、次の目標につなげていくことが、面談全体の「満足感」に繋がっていくのです。是非とも、管理者は面談スキルを磨き、部下の成長をサポートすると同時に、メンタルヘルス不全の予防に役立てて頂きたいと思います。

以上